温泉ロケに気をよくしたというか、味をしめた感もある「学校へ行こう」のスタッフと坂本くん。
ま、確かにあのロケは慰安会を兼ねていたのか、メンバーもスタッフも温泉に浸かって、美味しいモン食べてご機嫌だったよなぁ。
だけど、ボクの立場も考えてよ。
温泉に入るとなぜか饒舌にV6の歴史なんて語り始めちゃうんだよ、坂本くんは。
移動中の車の中でもV6のアルバムを掛けまくるし。恥ずかしいったらありゃしない。
ロケに参加できなかった剛はさほど羨ましがるふうでもないけど、井ノ原くんは温泉ロケに大騒ぎしてるよ。
「く~っっっ、いいなぁ。オレも行きたかったよぉ~」
「ホントよかったぜぇ、乳頭温泉はぁ。こうキメの細かい泉質でさぁ、お肌がツルっツル」
坂本くんは自慢げに話すけど、あの豪雪忘れちゃったの?
「ニュウトォ~…おひょひょひょ名前もナマメカシくていいなぁ」
このエロッチは何考えてんだよっ。
長野くんは罰ゲームに(ホントこれが容赦ないゲームなんだよね)頭痛めてるし、剛はまるっきり無関心。
岡田は…あまりいい思い出のロケじゃないらしい。苦笑いしてる。(ちょっとこのボクも岡田には同情気味だ)
「あのぉ…結構温泉ロケは評判がよかったので、またやろうかという話もあるんですけど…」
そこにボクらのマネージャーのムトウくんが話を割ってくる。
評判よかった…って単にハダカが受けたんじゃないの?とボクは思う。
「えっ? マジ?」
坂本くんと井ノ原くんはおおはしゃぎ。
「で、また女優さんからの逆指名が入ってるんですけど…」
ムトウくんは遠慮がちに坂本くんの顔色を伺ってるけど、坂本くんは上機嫌。
「え~っ、いいんじゃないの? また岡田にはいい経験をつんでもらえばぁ?」
人事だと思って坂本くんは岡田にからかうような視線を送る。
「あ、今度の逆指名は岡田さんじゃないんです」
「もしかしてオレ?」
イノッチが細い目を見開いて、嬉しそうに笑ってる。
「いえ…井ノ原さんじゃなくて…あの、坂本さん…に…」
今度は坂本くんが目を見開いてる。
「女優って誰だよ?」
今まで無関心だった剛がムトウくんに投げかける。
「…ええ、あの、大御所の…」
少々名前を出すのははばかれたのか、ムトウくんは坂本くんの耳元で囁いた。
「ひ、ひぇ~っ。そ、それだけは勘弁してください~っ! 」
坂本くんの通りのよい声はきっと楽屋廊下まで響いたに違いない。
その女優が誰なのか、ボクには未だ謎である。
本当は坂本くんで別の物語を考えていたのですが、「学校へ行こうSP」温泉宿ロケが あまりにも面白くてこんな話になっちゃいました。