« 1.始まり | メイン | 3.大丈夫か?   ~岡田准一 »

2.夜明け   ~井ノ原快彦

 徹夜したあとの夜明けは嫌いじゃない。
 ましてやそれが仕事とあっては、心地よい疲労感が夜明けの空にすぅーっと溶け込んでいく。

 あ、ウソ。
 仕事開けの夜明けなんて最低。
 眠くて目はしょぼしょぼするし、(細い目がよりいっそう細くなるって剛にからかわれるし)顔もなんだかむくんでる。そして眠気もピークを過ぎるとギンギンに目が冴えて、今度はハイテンションっ !
  
 まったく次の仕事は午前中にはスタジオ入りだぜ。今から帰って何時間眠れるかな。
 こっからだと、家に帰るよりスタジオの方が近いし。でもシャワーは浴びたい。できれば朝飯も。 
 
 迷惑承知で携帯のメモリーから呼び出す番号。
 「あ、オレ、井ノ原だけど、今からそっち行っていいかな?」

 …なぁんて。
 そんな風に言えりゃいいんだけど。夜明けはまだ電話するには早すぎる時間帯。
 
 諦めて自分のマンションに帰って熱いシャワーを浴びる。途端に襲ってくる睡魔。
 腹は減ったけど、今は少しでも睡眠をとりたい。
 ふかふかのベッドに飛び込んで羽毛枕に頬擦りをした途端、携帯のメロディがオレをたたき起こす。

 「オレだけど…今から泊めてよ」ぶっきらぼうな剛の声。
 オレは仕事していたというのに、人の都合はお構いなしかよ。
 「…朝飯、持ってきてくれたらいいよ」

 コンビニのサンドイッチで誤魔化されながらも、そうやって電話してくるあいつに少しの心地よさ。
 こんな夜明けは嫌いじゃない。



ここで井ノ原さん登場。 ちがう、剛つんはそんなキャラじゃねぇぞ。 というか、Vメンの誰もが突然家に押しかけるキャラじゃない。 でもこういうシュチュエーションを書きたかったので、 敢えて剛つんにその役割を託してみた。(爆)

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2004年03月22日 17:09に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「1.始まり」です。

次の投稿は「3.大丈夫か?   ~岡田准一」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページバックアップページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.35